PVマップとは?

当サイトでは対流圏上層の「渦位 (potential vorticity; PV)」という物理量を,気象庁GSMを用いて計算し,その結果を作図・表示しています.
[PVU] はPVの単位 (Unit) であり,本来の単位 [10-6 K m2 s-1 kg-1] の一般的な省略表現です.
図の傍のカラーインデックスの単位も [PVU] です.

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PVは基本的に不変量なので,空気塊に固有な値を示し,また一般に,上空寒気はそのPV値が大きくなる性質があります.
これを利用し,当サイトではPV値の大きな領域 (暖色) を,過去や未来 (3日程度) にわたり追跡することで,日本域へ到来する寒気や世界の寒気を監視しております.

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等温位面 (○○○K) と等気圧面 (○○○hPa) という異なる基準面のPV分布を利用しています.
等温位面PVは寒気の追跡に適し,等気圧面PVは基準高度の寒気の監視に適しています.当サイトでは320K, 345K, 850hPa, 500hPa の指定面を表示しています.
基本的に,320Kは冬,345Kは夏の寒気の追跡に利用しています.
また概ね,850hPaは対流圏下層,500hPaは対流圏中層の指定高度を示します.

以下,図のタイトルの説明です.
○○○K PV [PVU] Z [km] は,等温位面上のPV分布 (色) と等温位面の高度分布 (破線) を示しています.

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Cold air mass [hPa] flux [hPa*m/s] は,Iwasaki et al. (2014) に基づく,寒気質量 (色) と寒気質量フラックス (矢印) です.
寒気の保存量であり,PV同様に追跡可能です.

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○○○hPa PV [PVU] は,等圧面PVであり,その他,Z [m] はジオポテンシャル高度,T [ºC] は気温,SH [g/km] は比湿,V [m/s] は水平風を示しています.

また,左下の図は400hPaのPVと,その領域内最大地点における,上が東西-鉛直断面,右が南北-鉛直断面です.
右下は東経135Eºと北緯35Nºに指定した鉛直断面です.


参考文献

日本の気象 (小倉義光・著)

気象庁|全球モデル(https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/whitep/1-3-5.html

予報作業における渦位の利用について - 気象庁(https://www.jma.go.jp/jma/kishou/books/yohkens/19/chapter3.pdf

温位をしきい値とする寒気流出解析(https://www.data.jma.go.jp/gmd/extreme/kaigi/2017/0302_teirei/h28gidai3-1.pdf

Iwasaki, T., T. Shoji, Y. Kanno, M. Sawada, M. Ujiie, and K. Takaya, 2014: Isentropic Analysis of Polar Cold Airmass Streams in the Northern Hemispheric Winter. J. Atmos. Sci., 71, 2230–2243, https://doi.org/10.1175/JAS-D-13-058.1


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